BPHSによるインド占星術のハウスの解釈(1-5室) by アステロイ丼
(https://ameblo.jp/mst9/entry-12452128816.html)
の続き―
(第6ハウス)
母方の叔父、死の疑い、敵、潰瘍、継母、罰などを表します。
第6室は3室、10室、11室と同じウパチャヤ・ハウスです。6室はサービス(仕事)のハウスですが、同時にその原則から、なされる仕事の良い悪いに関わらず罰も意味します。6室と6室から6室目である11室は罰と報酬を表します(“Tanau Tanah Danda Hara”:6室と6室から6室は、罰と勝利の褒賞である)。主人は人に報酬をちらつかせ、人の上に立ち続けるのです。しかし罰と報酬の大きさはそれを決定することのできる神聖な神の知識でもあります。
6室は4室から3室目ですから母方の叔父のことが表されます。
6室は敵を表すハウスです。敵の強さ、弱さはこのハウスから推測できます。6室支配星が弱いかまたは減衰していれば、いつでも敵は弱く打ち勝つことができます。しかし敵に打ち勝つには7室が強くなければなりません。
6室はサービスのハウスです。このハウスからは人がカルマヨーギであるかが判明します。またどんな方法や状況で、雇用されて働くのか、或いはビジネスを立ち上げるのかも判ります。6室のカルマを調べるには6室から10室目(バーヴァットバワンの原則)である3室を見ます。3室にはその人に与えられる仕事のカルマが表れます。シュラムダン(寺院などで肉体労働をして土星:労働を崇拝する)は6室への剋傷を解消してくれるでしょう。
6室は5室から2室目です。ですから子供を維持する能力も表します。子供の食生活、食習慣が6室に表れます。
6室は雇用人を表しますからその人が雇用人となるか雇用人を雇うかを示します。雇用人の忠誠さ、モラルも6室に表れます。
(第7ハウス)
ラグナの次に最も重要なハウスは第7室です。第7室はラグナの正反対の位置にあり、その人の欲望(カーマ)を表します。さらに7室は4室と10室に強い影響を持ちます。(4室から4室目、10室から10室目は両方とも7室です)
多くの観点から7室は大変重要なハウスです。7室は内面の要求、性欲、人生の目標、性格、生活の質など、を表します。7室の表すものは個人のプライベートな部分で、その人の性別も表します。カラトラ(Kalatra)と言われる人の性欲と性本能を表します。
7室は妊娠という形で新しい生命をもたらす能力を扱う大変重要なハウスです。子供という発展的な新しいアートマを7室が与えてくれるのです。生殖器は子供を創ることに使われる基本的な身体の器官です。人間の一般的な幸せとは7室が良いか悪いかによって決定され、7室が4室と10室にどんな影響を与えるかが重要なのです。7室はシヴァ神の生来的なハウスであり、シヴァ神は幸福を意味する「カリヤナム:Kalyanam」の神なのです。因みにブラフマー神は寿命(アーユ)、マハー・ヴィシュヌは維持(ダーナ)を支配します。
7室は内面の要求と生殖に関わるため転生も表します。7室は12室(モクシャ、解脱)にとって8室目(寿命、遅延)のハウスです。7室は、人が次に転生するか否か、何時どこに何故転生するのか、が表れるハウスです。死期のために準備される「ムリチュ・クンドゥリス」の余興が7室に準じて試みられますが、これは転生の正確な性質、転生の理由、転生する時期と場所を7室が示しているからです。7室に在住する剋傷された惑星は転生を表します。シヴァ神に祈りを捧げることは剋傷された惑星のドーシャを浄化するのに有効です。
7室はどのようにして、平穏と欲望のハウスである4室と関連しているのでしょうか?カーマ(欲望、Ichha)が問題の究極の源です。神を体現する以外の欲望が無いならば、悲しみは起こり得ません。何かを成し遂げるのは欲望です。何かに心惹かれるのも欲望があるからです。獲得したとしても失ったとしても何かに執着し感情が揺さぶられるのは欲望が原因です。何かへの欲望とは愛でありカーマのことです。欲望が純粋であるか不純なものであるかは悲しみの度合いが表します。神を体現することもまた、愛(カーマ)の純粋な1つの形です。カーマにはそれぞれ様々な目的があり、カーマの度合いもまたそれぞれあります。ラーマ神によって実証された配偶者を獲得する欲望、子供を獲得する欲望、家や幸福を獲得する欲望と、それらを維持するためのお金を獲得する欲望、は基本的で純粋な欲望です。このようにして仕事(カルマ)が必要になり、これらが失われた時に悲しみが生じるのです。これが4室、7室、10室の間の関係性となります。しかしこれらの愛が愛欲(肉欲、動物的な性欲)になってしまえば、正当な欲望ではありません。コントロールのできない不正な欲望は強ければ強いほど経験する悲しみは大きくなります。
7室は敵を打ち負かすか、または敵により敗退を余儀なくさせられるかを表すハウスです。さて、いったい何時、人は敵に出会うのでしょうか?他の人が出来ない事をしている人、誰かその人と同じ事を成し遂げようとしている場合、人は敵を創り敵がいる人となります。敵を惹きつけるのは物質的な物のみです。貧乏人は最も敵を作らないかもしれません。貧乏人が持っていないものを金持ちは持っているわけですから、金持ちに敵が多いという事になります。
それでは6室と7室の関係はどう考えるべきでしょうか?6室は敵を表示し、7室は敵に打ち負かされるか打ち負かすかを表します。6室支配星が弱く、7室支配星が強ければ、間違いなく敵を打ち負かします。反対であれば敵に打ち負かされるでしょう。
7室の生来的なハウスの意味は商売と宣伝です。カルマに隠された目的はいったい何でしょうか?お金を稼ぐ事であれば10室(カルマ・ハウス)から2室目であり11室とそのトリコーナに焦点が当たります。7室は10室から10室目であり、成し遂げられるカルマとカルマを成し遂げる要求(維持のためにお金を稼ぐ事)を示しています。このように7室は生来的にビジネスを表示すハウスであり、またビジネスにおけるパートナーとの相性を決定するハウスでもあるのです。
このように7室は人の内面を実に正しく反映するハウスなのです。7室の支配星、7室在住星、7室の星座が良くない状態であれば、たとえ次に転生する運命であったとしても解脱するのであったとしても、多かれ少なかれ人生での自分の役割やキャラクターに苦労するでしょう。7室に対する剋傷はどのようなものであれ、社会的な活動や幸福にはマイナスです。7室は人生での成功、失敗を決定する実に重要なハウスなのです。
ホロスコープを分析する上で、7室、7室支配星、ダラパダの配置はホロスコープの強さと結果を左右する重要で象徴的なハウスになります。
以下は7室に在住する惑星の意味です。
(火星)
クジャ・ドーシャです。クジャ・ドーシャはリシ・ナラド神の怒りです。療法としてはハヌマーンを崇拝し祈る事しかありません。7室に火星が在住する事はラーマ神の人生でみられたように人生との戦いになります。配偶者とは度重なる別れを経験し、格闘にみちた生活を送る事を表します。個別な判断が必要ですが、別離、不適応な性質、怒りを溜め込む性質、配偶者や仕事のパートナーとの摩擦が起きやすい、結婚生活での不調和、などがあります。これらはその人の生活が緊張に満ち、ストレスが多い事から生じるようです。しかしながら良い星座の火星であれば、この火星はラグナにアスペクトする事から身体的にも精神的にも大変強い人になります。実際に格闘は人を身体的にも精神的にも強くしてくれるのです。
(金星)
あらゆる美しいものを愛します。金星は生来的にセックスの表示体ですから性欲が強くなります。美しい配偶者を持ち、贅沢な生活を望みます。身体的に逞しく性的魅力があり、魅惑的な体つきになります。
(土星)
セックス及びセックスに関連する闇の部分、悪いところを表します。結婚は遅れるでしょう。配偶者はかなり年上の相手、考え方が老成した相手、見た目が老けた相手などになります。別離や結婚の不調和を表します。土星は7室がディグバラですから、自分の身分、立場、信仰などに関わらず、この人は性欲が最も本質的な欲望になります。
(木星)
木星は神々の教師ですから7室に在住するのは最も良いと考えられます。教師、しかも神々の教師ですから悪い事はしません。人の人生全般に渡って最も良い表示です。特に女性のホロスコープでは純然たる貞節を意味します。木星はその人の欲望が純粋である事を表します。
(太陽)
太陽は全ての惑星の中で王様の惑星です。配偶者またはパートナーが主要な関心を占めている事を表します。法的で権威のある立場です。怒りやすい性質、赤系の肌や髪の色、身体的にも精神的にも強くセックスやあらゆる贅沢に対し情熱的で冷める事のない欲望があります。
(月)
月は全ての惑星のなかでのクィーンです。美しさ、クールな性質、強い心、魅力的、権威的、マナーが素晴らしく良い趣味の服装、上手で清潔なセックス、配偶者は色白、商売では洞察力が働く、騙されやすいなどの特徴があるでしょう。
(ラーフ)
ラーフは悪魔ですから、悪魔的な性質があります。セックスに対する執拗な欲望、あらゆる面で無慈悲、悪智慧が働く、淫らなセックス、売春に関わる、ギャンブルなどに関わる、などの性質があります。しかしコントロールされたラーフであれば人生はより良くなり物質的に恵まれます。7室のラーフへの療法は、シヴァ神を水でなだめてラーフをコントロールし、加熱した欲望を穏やかにし、性欲をコントロールするのが良いでしょう。サッチャナラヤナ・マントラ“Hari Om Tat Sat”はラーフの影響を排除し欲望を滅するのに有効です。
(ケートゥ)
悪魔であるラーフの切り離された尻尾であるケートゥは、病気がちの配偶者を表します。生来的にモクシャの表示体ですから精神性の高い配偶者になります。場合によってガミガミやかましい配偶者かもしれません。剋傷された状態であれば病気持ち、精神的に不安定、破壊的な配偶者となります。赤外線の赤を表すケートゥは、シヴァ神がカーマデーヴァ(愛欲の神、キューピッド)を破壊したように、自分を破壊する傾向があります。7室はカーマデーヴァのハウスでもあり、欲望を破壊する事はモクシャに通じます。
7室支配星が6室に在住する場合、配偶者が信頼に足らず不誠実になり敵となってしまいます。これは木星が強く良い状態でなければ改善することはできません。
7室支配星が9室に在住する場合、結婚後に幸福が訪れることを暗示します。
7室は転生を示し12室は解脱を示すために、7室は生来的に12室に敵対します。7室は12室から8室目です。欲望を叶えるためには欲望に執着し常に追い求めなければなりません。欲望が叶えられなければ、それを叶えるために転生することになります。
最初の結婚の継続する期間は7室から2室目が表します。2室目は維持するハウスです。8室は7室を維持するハウスです。8室から7室目(ラグナから2室)は2回目の結婚の可能性を表します。2回目の結婚の継続する期間はそこから2室目(ラグナから3室)で、そこから7室目は3回目の結婚の可能性を示します。そのようにして何回結婚するか(普通は4回まで)調べることが出来ます。普通4回までしか結婚出来ないというのは月(母親、または義理の母親)の影響でそれ以上は障害されるからです。これらはジョーティッシュによって様々な慣習の社会、違ったコミュニティでの実践により注意深く調査されました。複数の結婚が見られるコミュニティでは金星の影響を主だって吸収するような信仰が金曜日になされているようです。
ウパパダ
ウパパダはガウナパダとも呼ばれる12室のアルーダです。ガウナとは付き従うものという意味でラグナに付き従うもののことです。
ウパパダは配偶者に対するその人の内面的な性質、本心を決定します。ウパパダの星座の支配星と、ラグナロードの星座の支配星の関係はその人が結婚するか否かを決定します。ウパパダの支配星がラグナロードの星座の支配星から12室目(犠牲のハウス)である場合、結婚が否定されるか、または結婚が遅延する原因になります。
さて、ウパパダの星座の支配星とラグナロードの星座の支配星の関係を、どのように解釈したら良いでしょうか?
ラグナロードの在住する星座はパーカ・ラグナと呼ばれ、その人の好み、嗜好が表れます。ラグナそのものはその人の身体にとって良いものと悪いものを決定しますが、パーカ・ラグナは好き嫌いを表します。ラグナに在住する凶星は好き嫌いをはっきり示しませんが、パーカ・ラグナであれば好き嫌いを表すのです。
好き嫌い、嗜好を決定するには、惑星とパーカ・ラグナの支配星の関係(配置、友好関係など)を注意深く読み取らなければなりません。惑星とパーカ・ラグナの支配星の関係が良くない場合、在住する惑星の表示することは否定されます。ある生来的な性質を持つ惑星がパーカ・ラグナの支配星と関係が悪い場合、その惑星の生来的性質が失われてしまいます。この原則は結婚するか否か、人の嗜好、何をして何をしないのか、などを決定するため注意深い分析が必要です。例えば、ラグナに土星が在住する場合、土星はアルコールやネガティヴなものを生来的に表示しますが、その人がネガティヴな傾向があるかどうかはわかりません。しかし吉星がラグナに在住している場合はその人の嗜好に合致するようです。
(注:ジェーヴァとディー・シャクティのカラカであるブリハスパティ(木星)は人の最も重要なクォリティを支配していますが、パーカ・ラグナの生来的カラカにもなっています)
生涯の伴侶に対する気持ちや態度を表すウパパダはその星座が良い状態である事が重要です。ウパパダの星座からはその人の性質の純粋さと、配偶者をどのように扱うかが判ります。星座が凶の星座であるか星座への剋傷があれば、配偶者への態度や扱いが悪くなります。これは、夫婦関係を良くする基本である、配偶者との相性、配偶者への忠誠(配偶者の貞操)、配偶者への愛情(配偶者からの愛情)とも関係します。ウパパダの星座の状態によっては不審を招ねく関係や、完全に否定される場合もあります。
ウパパダの支配星もまた配偶者、その家族、配偶者への態度、配偶者からの幸福を決定するのに重要です。ウパパダの支配星が高揚していれば、高い身分の家系からの配偶者となり、ウパパダの支配星が減衰していれば、自分より低い身分の家系からの出身となるでしょう。
以下はウパパダの支配星とコンジャンクトする惑星の意味です。
(太陽)
配偶者の家系は政治的な権力を持っています。または高いカーストからの出身で結婚によってカーストが変わる事を表します。太陽は寺院を表し、寺院では人々は高尚な学問を学ぶためです。
(月)
配偶者の家系は裕福であるか、または大変有名な家の出身になります。
(火星)
配偶者は火星の表示する警察、軍隊などのクシャトリアの家系です。
(水星)
配偶者は作家または本を扱う仕事、会計に関わる仕事、または商売をしている家系です。
(木星)
配偶者はブラフミンの出身であるか、学識の高い家系、または裁判に関わる家系です。
(金星)
配偶者は詩的または芸術的な家柄の出身です。優雅な芸術家、家畜(牛)を持つ酪農家、衣服や化粧品を扱う仕事、または美しさに関わる仕事をしている家系です。
(土星)
配偶者は自分より身分の低い家系の出身です。または工場の労働者などのような短調な仕事をする家系です。
(ラーフ)
配偶者は自分より低い階級の出身で、ギャンブルまたはそれに類した活動をする家系です。または外国の出身です。
(ケートゥ)
配偶者は禁欲的な行者の家系、または普通の社会とはかけ離れた家系の出身です。
あるハウスを維持するのはそのハウスから2室目というのが原則です。ウパパダからの2室目は結婚の維持される期間を決定するのに重要なハウスです。ウパパダから2室目が良くない状態であるか剋傷がある場合、その結婚が続く期間、結婚が終わる時期、結婚が終わる理由が2室目に示されています。この原則から、ウパパダからの2室目の星座の性質もまた結婚の終わりの原因に深く関わります。様々な状況下での死別、法的または法的ではない別離、ほかの普通に考えられる状況での別離、異常な事件による別離などが示されます。
以下はウパパダから2室目の星座と在住する惑星のBPHSからの解釈です。
1)ウパパダから2室目に吉星が在住するか、吉星からのアスペクトがあれば配偶者からは幸せと結婚による良い結果が得られます。
2)ウパパダから2室目に凶星が在住するか、ラーシまたはナヴァーンシャにおいてウパパダの星座に減衰する惑星がコンジャンクトまたはアスペクトするなら、配偶者または結婚は破壊されるでしょう。
3)ウパパダから2室目の星座にラーシまたはナヴァーンシャで高揚する惑星が在住していれば多くの配偶者を同時に持つでしょう。ウパパダから2室目が双子座(セックスの状態と多くの愛人を表す)である場合も多くの配偶者を持つ事になります。金星の支配する牡牛座もまた複数の結婚(配偶者)を与えます。
4)ウパパダから2室目の支配星が自室に在住していれば配偶者の死は高齢になってからでしょう。
5)配偶者を表示する7室支配星と金星のいずれかが自室に在住していれば配偶者の死は高齢になってからでしょう。
6)ウパパダから2室目の支配星がラグナから2室で凶星と同室していれば、本人の盗み、詐欺のような習慣によって結婚は破壊されるでしょう。
7)土星とラーフがウパパダから2室目に在住していれば、死と誹謗中傷によって配偶者を失うでしょう。ウパパダから2室目に土星が在住し、その星座が山羊座または水瓶座(土星の支配する星座)であれば配偶者は足に病気を持つでしょう。ラーフと土星がウパパダから2室目で、その星座が土星の支配する星座であれば配偶者は確実に足が悪く歩行が困難になるでしょう。土星、ラーフ、太陽がウパパダから2室目に在住する場合は骨に痛みがあるでしょう(太陽は骨を支配します)。
8)水星がウパパダから2室目に在住する場合、配偶者と口喧嘩が多くなります(水星は会話を支配します)。話しすぎ(話したくない会話)でも結婚に障害があります。水星は双子座を支配し双子座は複数の愛人を表すため、結婚外の交際が原因で結婚が破壊される場合もあります。水星は本や著作を意味しますから、本や執筆活動にのめり込む事による結婚の破壊もあります。ウパパダから2室目に水星とケートゥが在住する場合、配偶者は骨折をすることになるでしょう。ウパパダから2室目に水星とラーフが在住していれば配偶者は頑丈な身体を持つでしょう。水星の支配する星座がウパパダから2室目で、そこに火星と土星が在住していれば配偶者は鼻疾患を患うでしょう。ウパパダから2室目に水星と火星が在住していれば歯に問題のある配偶者となるでしょう。一方、妻のウパパダから2室目に水星が在住するのは夫にとっては強いラージャヨーガです。このような強いラージャヨーガであっても結婚は破壊される場合もあります。
9)ウパパダから2室目に金星が在住すると性的な活動が結婚を破壊する場合があります。多くの配偶者を同時に持つか何回も結婚する場合があり、性的な活動が結婚を破壊する原因です。金星とケートゥがウパパダから2室目に在住する場合、配偶者は血液または腎臓の疾患を患うでしょう。
10) ウパパダから2室目に月が在住する場合、配偶者は白結球またはリンパ球に関わる疾患のため健康が害され、結婚が破壊されるでしょう。月は心を支配しますから、感情的な問題によって結婚が破壊される場合もあります。月に土星の剋傷があれば、配偶者は重症の鬱病を起こします。
11) ウパパダから2室目に太陽が在住する場合、配偶者は高熱または骨の疾患により死亡するか、結婚は破壊されるでしょう。
12) 木星がウパパダから2室目に在住する場合、子供の誕生、子供がいない事、知性の欠如、太り過ぎ、などにより結婚が破壊されるでしょう。木星とラーフがウパパダから2室目に在住すれば配偶者には歯に問題があるでしょう。木星と土星がウパパダから2室目に在住すれば配偶者には目または耳の問題があります。
13) ウパパダから2室目に火星が在住していれば急な事故により配偶者と別離する事になるでしょう。火星がケートゥと関わっていれば、血液の疾患、飛行機事故、武器や弾薬による死、高熱、怒りと傲慢、など火星的な性質による別離となります。
以上の項目はラグナから、ラグナ・パダ(アルーダ・ラグナ)から、ウパパダから7室目とウパパダから7室目の支配星から、の5つから分析し考察されねばなりません。
(結婚の遅延に対する療法)
ウパパダの支配星の日(曜日)に断食をする事です。この日には牛乳**と少しばかりの果物のみ食す事ができます。
**)牛乳:インドの牛乳は出産した母牛のミルクだそうです。
一般に7室に剋傷がある場合と腎臓の疾患に関してはシヴァ神を崇拝する事が推奨されます。手に牛乳を持ってマハー・ムリチュナンヤ・マントラを11回唱え、その牛乳を一気に飲み干します。そうする事によって身体のあらゆる毒を浄化する事が出来ます。この浄化は心(考え)を浄化するばかりでなく7室の支配する腎臓も綺麗にします。マハリシ・アートリは、サガー・マンターナの間にシヴァ神に溜まったすべての毒を、シヴァ神の頭に月を置く事によって浄化しました。月によって表される牛乳はマハー・ムリチュナンヤ・マントラを唱える事と同時に摂取すれば、シヴァ神の支配する7室の傷を癒すと信じられています。
(第8ハウス)
寿命は8室から判断されます。8室、8室支配星、ラグナロードの強さと配置が寿命を決定します。
寿命には4種類あります。(i)ディルガーユ(長寿:75歳以上)、(ii)マダーユ(32歳~75歳)、(iii)アルパーユ(短命:20歳~32歳)、(iv)バラリシュタ(幼少期の死:0歳~19歳)
普通は長寿(ディルガーユ)が良いと考えられます。人が自分の欲望を満たすのに十分な時間があり、満足を与えられる事が示されるからです。人の寿命を正しく判断するには、8室、8室支配星、ラグナロードの強さと配置、さらに10室と10室の支配星(10室は8室から3室目です)についても考慮が必要です。
8室は寿命を表しますが、同時に戦いの場と宿敵も示します。宿敵がより強ければ戦いにて殺されます。宿敵が弱ければ勝利を収め生き延びます。8室とルドラムシャ(11分割図)を正しく分析する事によって戦争の時期、戦争の期間、勝利か敗退かをも示す事ができます。8室は城塞(砦)を表します。人は自分の強さと弱さを知る事になり、城塞(王国と王)が守られるか破られるかを見る事になります。
8室支配星はローゲッシュ(長期間に渡る病気、慢性病)とも呼ばれます。8室を詳細に解読する事によって、死に至る病気、病気の期間が解明されます。そういった病気に罹るのは8室または8室支配星にとって良くない時期になります。8室支配星の配置は病気に罹る身体の部位、病気の期間、病気から回復するかを示します。これらすべては8室に在住する惑星、8室支配星の強さと配置、ラグナロードの強さと配置によって左右されます。
寿命に関しては7室と8室の関係が興味深い関係を示しています。8室は寿命を表しますが、7室(8室から12室目)は寿命を失うハウスです。7室が強い場合、性生活が盛んになり、寿命を失う原因になります。生命力を表す精子を喪失する事は寿命を短くします。独身とは反対の意味を持つ7室は寿命に大きく影響します。過剰な金星的な活動は寿命には良くありません。
8室はムルタダーナム、遺産と保険金のハウスです。ギャンブルを含む不労所得のハウスとしても知られています。ギャンブルそのものは8室から判断しますが、ギャンブルのカルマ(投機的行為)は5室(8室から10室目)から判断します。
8室は6室、12室とともにドゥシュタナと言われる凶のハウスです。凶のハウスでは敵を作る能力、孤立する事、喪失する事などが起きます。アシュターマ・チャンドラ・マラナ・カラカと呼ばれる8室の月は特に良くないとされています。月が8室に在住すると月の支配する星座とハウスに死を誘発する可能性があるからです。8室の支配星は殺され、戦争に負け、人は8室に月がトランジットする時に命を失います。
(第9ハウス)
父親、ダルマ、グル(師、教師)、過去生のカルマ、バーギャ(運命)、長期間の旅行、太もも、義理の姉妹(配偶者の兄弟)、聖なる場所への旅路、などを表します。
さて何故に第9室が父親とダルマを表すのでしょうか?
トリコーナの原則から、ブラフマー神は第1ハウス、シヴァ神は第5ハウス、ヴィシュヌ神は第9ハウスに座します。第1ハウスはアーユ(誕生)を表し、第5ハウスは繁栄を表し、第9ハウスはヴィシュヌ神が座しているが故にダルマを表します。ヴィシュヌ神が人にダルマを植え付け、何に値するのかによってその値するものを人に与えます。
9室の生来的な星座は射手座です。射手座は火の星座で神々の教師ブリハスパティである木星が支配します。射手座の火の性質は光そのもののエネルギーであるアグニ(火)の元素に由来します。この射手座の火の性質はブリハット・アグニと言われ、啓発の光を意味し、たとえ人が啓発(知識)を成し遂げる事が無かったとしてもディー・シャクティ(頭、脳)として働きます。ディー・シャクティの表示体がブリハスパティであるように、この光のエネルギーはブリハスパティ(木星)によって表されます。
人が創造されるのを決定するにはヴィシュヌ神の意志に任されているという理由のために、ブリハスパティ(木星)のハウスによって、その人のダルマと運命などが明らかにされます。木星はホロスコープにおいて神を表す表示体なのです。神は本当の平和、美しい容姿と美しい立ち居振る舞い、真なる慈悲、など、ありとあらゆる最善のものを持っています。それがホロスコープの木星によって表されます。
では、ブリハスパティは一体どのようにして人の誕生に関わるのでしょうか?木星は神を表し、生命を維持する惑星(ジェーヴァ)です。一方、太陽は生命を与える惑星です。生命を創造するのには神のような働きをする惑星が必要です。太陽こそが神として生命を創造する惑星です。神は過去のカルマに基づいて私たちの誕生を決定します。しかし神は地球上のすべての人間の誕生を担う事はできません。そこで父親の責任において個人の創造が成される事になります。生命の創造の時に、父親は神としての仕事を行うのです。父親という身体を持ったものの中に神が体現される事になります。これは9室が父親を表す理由です。
さて、父親はどのようにして誕生に責任を持つのでしょうか?父親の身体の中で誕生するアートマはムーラダーラチャクラと言われるところにあります。ムーラダーラチャクラは人体の脊髄の末端に実際にある尾てい骨です。人は胎児の段階で、母親の子宮内において尻尾を形成します。この尻尾こそが脊髄の末端ですが、胎児が成長するにつれて消失します。バガヴァット・ギーターではクリシュナ神がどのように父親のチャクラにアートマが宿るのかを説明しています。アートマは地球に雨として降り立ちます。雨(アートマ)は土壌に吸収され、木々を潤し、木々の樹液から果実へと移動します。生まれる運命にあるアートマを宿した果実が父親となる人に食される事により、栄養として父親となる人の血流に入り込みます。アートマは父親となる人のムーラダーラチャクラに到達し、神によって定められた誕生の時までそこに宿ります。
ムーラダーラチャクラを支配する神はケートゥを支配するマハー・ガナープティ神です。ケートゥは尻尾を支配します。この尻尾は徐々に消失し、脊椎の末端で尾てい骨(ムーラダーラチャクラ)になります。ケートゥは父親の生殖の能力を判断する重要な惑星になります。ケートゥには家庭という意味がありますが家族が増え家庭が大きくなる事とも関係します。ケートゥのシンボルは黄色い四角ですが精液を表す象徴的なものです。太陽は生命を与える惑星であり生来的なアートマ・カラカ(同時に父親のカラカ)ですが、牡羊座のナクシャトラ、アシュビニーで高揚します。アシュビニーを支配する惑星はケートゥです。太陽が何故牡羊座で高揚するのか、その相互関係がここに見出されます。
神と父親の間の関係により、9室は人間としての父親を表す事になるのです。人の一生で父親が演じる大事な役割は他にも9室で表されます。父親は人生の理想と原理・原則を子供に教える役割があります。最初の基本になるイデオロギー(ダルマの事)は家庭で父親によって子供に教えられます。父親は教師でありグルでもあるのです。良い教師であれば子供に良い事を教えます。子供の正しい教育・躾にとって良い知識というものは大変重要です。家庭においてグルからもたらされる良い知識と良い原則を子供が吸収すれば、のちの人生において良い影響があります。教えはその子供の一生のガイドとなります。良い原理・原則は強い規律として働きます。このように9ハウスはホロスコープにおいてその人の基盤となる重要な役割があります。
ダルマからの逸脱、ダルマの放棄は結果として人を破壊します。ダルマから人はどの様にして逸脱するのでしょうか?ダルマ(原理)がそこから11室目(罪と獲得のハウス)の影響を受ける時、配偶者(7室)をもたらします。同様に7室(配偶者)がそこから11室目に影響を受けると子供(5室)がもたらされます。5室から11室目は3室です。人の勇気(3室)によって家族(配偶者と子供)が守られます。罪(パーパ)を重ねるのは個人ですから、3室目が影響される時はラグナもまた影響を受けます。ラグナは3室から11室目です。さて、いったい何時ダルマは他から影響を受けるのでしょうか?ダルマはもっと稼ごう(11室)とした時、影響を受けます。悪い原理が11室の収入を増加させる手段として用いられた場合、収入は増加するかもしれませんが、罪もまた増加し、9室にも影響する事になります。11室の本質を表す11室からの11室目は9室です。ハウス同士はそこから11室目のチェーン・リアクションを起こし、延々と罪が増加する事になります。この原則はマンドゥーカ・ダシャーから導きだされたものです。マンドゥーカ・ダシャーは蛙が3室目ごとにジャンプする(1つハウスを飛ばして跳ぶ)という意味があります。このような分析方法はルドラムシャ(11分割図)を用い、戦争において勝利や敗退を占う時、使われます。
9室は原理・原則のハウスです。ジャーパと言われる人の人生を規定する原理を表しています。9室が強い場合は規律に関わる感覚が強い事を示します。即ち人が規則を守るか、父親や教師に付き従うのかに9室が関与します。例えば、9室が強く、太陽がラグナから4室または8室に在住していれば、その人は父親に大変従順に従う事を表します。
9室は過去生のカルマも表します。次に転生した時の人生の質を決定するのは、今生での良い行いに掛っています。人は時とともに年老いて肉体は衰えていきますが、アートマはその人の積み重ねたカルマを次の生に運びます。父親(神)と共有する運命とはこれら物質的な世界で積み重ねられたカルマの事です。という事で9室は運命(Bhagya)のハウスと呼ばれます。バーギャとは、その人が神と共有する諸々の物質世界での、神によって定められた経験を享受するという意味があります。
9室は人体においては太ももを支配し、遠いところへの旅行を表します。長距離の旅行を分析していく上で、ジャーラパータ・サハムを研究する事が重要になります。ジャーラは水を意味し、パータムは交差する事、渡る事、サハムは地点を意味します。ジャーラパータ・サハムとは大量の水(大洋)を渡ってある地点にいく事です。同様にパラデッサ・サハム(パラデッサ:外国)も考慮します。パラデッサ・サハムは外国に居住する事です。金星は乗り物を表しますから、金星との関連も必要です。ケートゥはアストラル・レベルの旅行(アートマが身体から離れて旅行する事)を表します。普通は激しい修行を実行したサドゥ(聖者)のみが達成できる旅行です。ケートゥは精神が肉体から離脱するのを促進します。
9室は師を表すハウスですから、寺院や崇拝を行う場所を表します。太陽が強く9室に影響を与える場合、寺院を建設する事になります。ラーフが9室に強く影響する場合は寺院、聖なる場所の破壊を示します。
9室は配偶者の年下の兄弟、姉妹を表します。
他にも9室からはドリグ・ダシャー(ドリグとは見る力です)を使って、解脱の時期を知る事が出来ます。
精神的な教師(グル)はヴィムシャーンシャ(D20、20分割図)によって表されます。努力する人を導き、正しい道に向かうよう手助けする精神的な教師を表します。
このように9室はホロスコープにおいて大変重要な役割があります。9室はその人の道理と理想を反映し、人生において人が何に従い生きるのかを表します。良くて強い9室は強く統制された人生となり、そうでない場合は9室に剋傷がある事になります。9室が10室と関連する場合、ダルマカルマ・ラージャヨーガになります。これは道理・原則(それは家族から得たものである場合も教師から得たものである場合もあります)を採用し、カルマ(仕事)を成し遂げるという事です。
9室支配星が同時に6室(敵)を支配している場合を除き、9室支配星によって支配される宝石を処方するのは安全だと考えられます。木星は9室の生来的カラカですから、マントラ“Om Gurave Namaha”を唱える事は9室を強くします。マントラ“Om Sat Gurave Namaha”を唱える事は人の心を癒し、精神性を強くします。
(第10ハウス)
王室、権威、仕事場、生活の場、名誉のハウス、父親から獲得するもの、外国での生活と借金は10室から理解される — BPHSにはそのように述べられています。
10室はホロスコープのケーンドラ・ハウスの中で最も重要なハウスです。個人のカルマ(行動)が描かれ、その人の人生の基本の柱となるハウスです。10室はカルマの方向性を表します。10室は、ダルマを表す9室と合わせて解釈されるべきです。9室と10室に関係性があれば、ダルマ(宗教的なレベル)とカルマ(行動のレベル)が関連しているという意味になります。
ゾディアック(獣帯)では生来的10室が山羊座になり土星が支配しています。今日観測されているように銀河系の中心(太陽系から見た)は現在射手座ですが徐々に山羊座へと移動しています。この現象は何千年もの昔から我々のマハリシによって言い伝えられていました。4つのケーンドラの星座(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座)は次のように4つの時代(ユーガ)を表しています。
1.牡羊座:第1ハウス — サッチャユーガ(真実の時代)
2.蟹座:第4ハウス — トレタユーガ(人の時代)
3.天秤座:第7ハウス — ドゥワパールユーガ(調和の時代)
4.山羊座:第10ハウス — カーリユーガ(悪魔の時代)
アビジット・ナクシャトラ:10室とカーリユーガと関連します。
インド占星術は月の動きを基本とし、月(ヴィシュヌとなり転生したクリシュナ神によって表されます)の動きを中心に考察されます。ホロスコープもまた月の動きを元にした配置を基準にします。月の位置を決定する事が他の惑星の位置を決定する事になるのです。
月は27日と3分の1日で蟹座の0度から出発し蟹座の0度へ帰ってきます。これは27と1/3のナクシャトラが必要な事を意味します。アシュビニーからレーヴァティまでの27のナクシャトラ(星団:星座より小さい星の集まり)は見る事ができますが1/3は見る事のできないナクシャトラです。この見えないナクシャトラはハリ(マハー・ヴィシュヌ)と言い伝えられ約10度(他のナクシャトラは13度20分です)の範囲に及びます。山羊座はカーリユーガのマハー・ヴィシュヌの上にある星座であり、見えないナクシャトラは山羊座においてアビジットと名付けられました。このアビジットの位置は全太陽系がまさに徐々に向かっている位置にあります。このナクシャトラは月の移動を調整するためのものとして用いられていました。このアビジット・ナクシャトラは正午に最も強くなります。正午はマハー・ヴィシュヌがダルマを保持するために移動すると言われ、すべての良い仕事がこの時間には安全に行われると考えられています。
生来的10室は山羊座で表され、このように重要な役割がありますが、10室はどんな立場の人間にとってもその人の生活と行動を示す大変重要なハウスです。
10室が強い場合カルマヨーギとなるか否かが決定します。カルマとは活動(仕事)であり、カルマを成し遂げるにはエネルギーを消費します。10室の第1の表示体は仕事をするのに多大なエネルギーを費やす土星です。土星は同時に悪いカルマを集め保存し、その行いに従い人に罰を与える役割もあります。土星はその役割からカルマの惑星とも呼ばれます。さらに個々人のカルマばかりでなく、土星はピトリ・リナ(父親、曽祖父の悪いカルマの借り)を集積しています。そのため人が地上に生まれて最初の行動はピトリ・リナを一掃する事であるべきです。クリシュナ神はバガヴァット・ギーターで「祝福されるものはピトリ・リナのカルマの借りを持たずして亡くなるものである」と言っています。
積もり積もったカルマを一掃し、さらに仕事を成し遂げるにはエネルギーが必要です。そのエネルギーは火星から与えられるため、10室に関して、火星は2番目に重要な惑星となります。火星が高揚する星座やディグバラの配置(10室)はこういった事が原因の1つになります。火星は並外れた力とエネルギーを持っているハヌマーン神によって代表されます。常時ハヌマーン神を崇拝する事は火星への剋傷を取り除き、正しいカルマを遂行するのに有効です。
このすべての火星のエネルギーはどこから供給されるのでしょうか?火星が力を発揮するエネルギー供給源は唯一太陽です。このように太陽もまた10室の活動において主要な働きをします。火星と同様太陽も10室でディグバラとなります。自然の太陽の光のある間にカルマ(活動)を成し遂げる事も大切です。
良いカルマであっても悪いカルマであっても、成し遂げるには知性(ディー・シャクティ)が必要です。カルマを行いたいという要求は水星から生じます。水星もまた10室にとって重要な役割があります。弱く剋傷された水星は活動(カルマ)に対する欲望が欠乏し、人生を駄目にする場合があります。
以下は10室に在住する惑星が、強すぎるか弱く剋傷されている場合の悪い影響です。
太陽:長期間の目標への活動が短期間にされてしまうため方向性を失う。
土星:重労働のわりに利益が少ない、または成果が少ない。
火星:エネルギーが過剰でやり過ぎ、加熱し過ぎる。
木星:知識があり過ぎて焦点が定まらない。この場合は木星が減衰する星座の支配星である土星を強くする事が、まず第1のコントロールです。第2のコントロールは木星が高揚する星座の支配星である月を強くする事です。土星と木星のコンジャンクションはブラフマー・ヨーガです。
カルマには次のような役割があります。
(a)創造
(b)維持
(c) 破壊
10室に在住する惑星はその人によって成し遂げられるカルマを表します。
太陽が10室に在住する場合は創造を象徴します。太陽は王または政府でのトップの地位を表します。王を決めるのはバーガン・ラームです。10室に太陽が在住するのはラージャヨーガですが、剋傷されていれば反対の意味がでる場合があります。たとえば太陽に土星がアスペクトしていれば(プラヴ・ラージャヨーガ:解脱のヨーガ)そのラージャヨーガは発揮されるのに時間がかかるか、または失われてしまいます。
月が10室に在住する場合は維持を象徴します。ラージャヨーガを維持するのはクリシュナ神の意向にかかっています。弱く剋傷された月は不安定なラージャヨーガです。弱く不安定なラージャヨーガを安定させるには、月が減衰する星座の支配星である火星を強くする事が第1の段階で必要です。第2の段階では月が高揚する星座の支配星である金星を強くする事が必要です。
以上です。